柴田涼|山形市中心市街地における屋上利活用の可能性に関する研究 -持続可能な都市のための戦略-
山形県出身
渡部桂ゼミ
現代社会はストレス社会でリフレッシュの機会が求められ、地方都市では人口減少や少子高齢化、商店街の衰退が問題視されている。一方で、近年はキャンプの人気が高まっており、アウトドア空間に関心が向いている。そこで、街中に屋上空間を利用できる場所を見出し、都市部でも手軽にアウトドア空間を楽しんで活動できる環境を提供することを目指したい。屋上空間を新たな活動場所として活用していけば、中心市街地の活性化にも繋がっていくのではないか(図1)。
本研究は、山形市中心市街地において身近な屋上空間を調査し、山形での屋上利用の可能性を明らかにし、今後の中心市街地活性化に資することを目的とする。
山形市中心市街地の屋上で利用する理想のイメージ図を建物のオーナー?事業者に見せて反応を頂いた。理想は不特定多数の人が活用し、チェアリングやワーケーション、カフェ、団欒など新たなコミュニティの場として活用されることである。モデルは工藤ビルの屋上となっている(図2)。
山形市中心市街地の屋上の現状は、太陽光発電や室外機、柵がなく危ない建物が大半を占めていることが分かった。しかし、ここ数年で屋上を活用している事例が増えてきているため、今後も屋上の活用には潜在的な可能性がまだあると言える。山形市中心市街地の屋上の利活用の可能性はビルオーナーからの許諾や保安上の問題などがとてもハードルが高く、屋上に上がらせていただいた建物も3軒であったため、やはりビルオーナーとしては「危険」「何されるか不安」というネガティブな意見があると考えられる。しかし、時間はかかると思うが、実際に中心市街地の屋上で活用している事例があるため、一歩一歩着実に課題をクリアし、ビルオーナーとの信頼関係を築くこと、事例を増やすことによって屋上の利活用が実現できる余地があり、山形市の中心市街地の屋上の利活用の可能性はあると結論付ける。