design:中嶋建治
          photo:多田あさみ
TUAD Artist in Residence Program 2006
富田俊明|あなたと生きる喜び
東北芸術工科大学では、第2回となるアーティスト・イン・レジデンスに、現代美術家の富田俊明氏を招聘いたします。滞在期間中の交流プログラムでは、富田氏の作品を紹介する展覧会『富田俊明展|あなたといる喜び』と、作家がゲストを迎えて語らう4回のギャラリートーク、そして読書会をベースとしたワークショップを開催いたします。
          富田俊明氏は、インドや東アジアをめぐる旅でのアイデンティティーの揺らぎや、自身のルーツとしての家族史、生まれ育った地域に残る伝承などについての〈聞き書き〉を、ドローイングや映像、音声や書籍など、様々なメディアを駆使してドキュメンテーションする作風で知られています。民俗学的なフィールドワークと、取材内容をもとにした私小説風のストーリーテリングは、中国や韓国での国際展招聘や、2001年の『横浜トリエンナーレ』出品などで注目されています。
          富田氏の「他者の世界を知っていくことは、同時に自己の世界を見いだしていくこと」とするポリシーは、東京藝術大学在学中に通った「山形ドキュメンタリーフィルムフェスティバル」で学んだ対話への考察や、赤坂憲雄東北文化研究センター所長が提唱する『東北学』への深い共振を源泉とするといいます。
          富田氏にとって特別に思い入れ深い、ここ山形でのレジデンスプログラムでは、これまで世界各地(中国・アメリカ・デンマーク・青森・山口)のレジデンスで制作したフィールドワークの作品群を再編集して展示するとともに、東北文化研究センターの協力を得て、作家が関心を寄せる民俗学と現代アートとの交錯を、観客参加型の様々な対話型プログラムによって探っていきます。
- 滞在期間=2006年1月10日[火]−28日[土]
 - 招聘=富田俊明(アーティスト)
 - 会期=2006年1月12日[木]−27日[金]9:00−20:00
 - 会場=図書館2Fスタジオ144
 - 協力=東北文化研究センター
 
●関連イベント
- ○作家による自作解説
 - 日時=1月12日[木]18:00
 - 講師=富田俊明
 - ○フリーディスカッション『これまでつくってきたもの』
 - 日時=1月13日[金]18:00
 - 講師=富田俊明/宮本武典
 - ○対話『民俗学の旅、芸術の旅』
 - 日時=1月17日[火]18:00
 - 講師=赤坂憲雄/富田俊明
 - ○舞踏とリーディング『原始信仰と舞踊』
 - 日時=1月19日[木]18:00
 - 講師=森繁哉/富田俊明
 - ○ワークショップ『〈泉の話〉〈二重体〉を読む』
 - 日時=1月24日[火]〜27日[金]18:00
 - 講師=富田俊明
 
●プロフィール
富田俊明 Toshiaki Tomita
- 1971
 - 神奈川県相模原市生まれ
 - 1996
 - 東京芸術大学大学院美術研究科壁画専攻修了
 - 2001-02
 - ポーラ美術振興財団の在外研修生として渡米
 
[主な個展]
- 1995
 - 「水源への旅」淡路町画廊(東京)
 - 1998
 - 「引っ越しました・ウィークリーマンションプロジェクト」ウィークリーマンション木場牡丹 West in Part 40.501号室(東京)
 
[主なグループ展]
- 1997
 - 「日本芸術家聯展」中華人民共和国福建省泉州市惠安縣武鎮(福建省)
 - 1999
 - 「チバ・アートナウ'99知覚の実験室」佐倉市立美術館(千葉)
 - 「東アジア文字芸術の現在」芸術の殿堂・書芸館(ソウル)
 - 2001
 - 「横浜トリエンナーレ2001」」(横浜)
 - 2002
 - 「Blind Date」オデンセ市立美術館(デンマーク)
 - 2004
 - 「パスワード日本とデンマークのアーティストによる対話」CCGA現代グラフィックアートセンター(福島)
 
[その他の活動]
- 2001
 - ワークショップ「泉の話」相模原市立大野台小学校(相模原)
 - 2003
 - ワークショップ「交代されたい」アーカスコミュニケーションプログラム(守谷)
 - 2003
 - 国際芸術センター青森のレジデンスプログラム(青森)
 - 2005
 - 秋吉台国際芸術村アーティスト・イン・レジテンス(山口)
 
[著書]
- 2001
 - 『泉の話』CCGA現代グラフィックアートセンター(福島)
 - 2005
 - 『蜂蜜の味』秋吉台国際芸術村(山口)
 
